ガザ女子学生日記

2024年11月25日(月)

2025-01-07 15:05:39
2025-03-29 16:02:24
目次

朝、子供の頃よく通った道を通って打ち合わせに出かけました。 よく知っている場所なのに、今はその景色が見慣れない場所に思えたのです。 通りは破壊され、私がかつて目印にしていた物は、何も残っていませんでした。 失われた記憶の中を懐かしく思いながら歩きました。

  すると突然、私は見覚えのある物をやっと見つけました。 それは、私が子供のころに見たスズカケノキ**で、廃墟の中にそびえ立っていました。 まるで失った魂の一部を見つけたかのように、私は、とても幸せな思いになりました。母親の腕の中に飛び込む子供のように、その木に向かって突進するように走りました。 つまり、この通りは、幸いにも何も変わらなかったのです。

 この木に登り、枝に腰掛け、そよ風が私の顔に当たり幸せな日々を、思い出していました。 その木陰を両親と歩き、笑い、小さな夢を語った時も思い出しました。 ほんの束の間の喜びでも私の心は満たされたのです。 私の子供の頃の木は、占領されている時もこうして生き残っていたのです。

私にとって、この木は単なる木以上に意味があり、戦争で消し去ることのできなかった強い回復力と良き思い出を象徴するものとなりました。 すべての痛みと破壊にもかかわらず、壊滅してしまった通りに残っているどんなに小さな木であってもとても価値のあるものだと思います。

この記事を書いた人

Sabara

Sabara(サバラ)22歳 パレスチナ・ガザ地区出身。アル・アクサ大学で英文学を勉強中。情熱的で野心家。写真撮影と読書が好き。2024年11月から日記を書き続けている。