
私は人生の始まりの場所であり、無邪気な幼い時を過ごした、心に深く残る場所を訪れることにしました。そこは、私が通っていた幼稚園です。そこは単なる建物ではなく、私が最も幸せな時を過ごした小さな世界でした。
幼稚園は私の第二の家でした。母は毎朝笑顔で 幼稚園に連れて行き、私ははしゃいで入り口のドアに向かって走りました。壁の鮮やかな色、隅々に散らばったおもちゃ、友だちと分かち合ったお菓子の香り、そのすべてが喜びを物語っていました。そこで言葉を覚え、初めて絵を描き、今でも耳に残るほどの笑い声をあげて過ごしたのでした。
優しく愛情深い先生たちに囲まれて暮らしました。先生たちは、私にとって第二の母のようでした。私の 幼稚園での日々は優しさと愛情で満たされていました。先生や友だちと、ブランコや滑り台がたくさんある広い庭で遊びました。笑い声が庭一杯に広がり、私たちの小さな夢は空へと飛んで行きました。
しかし今日、この大切な場所を再び訪れることに決めた時には、自分が目にするであろうものに対して、心の準備ができていませんでした。そこで見たものは、かつて活気に満ちていた幼稚園が石と瓦礫の山に変わっていました。自分の目が信じられず、その場で、凍りついてしまいました。かつては生命と思い出にあふれていた場所が、どうしてこんなにも荒涼として静寂に満ちた場所に変わってしまったのでしょうか。
私はその場所をさまよい、かつての幼稚園の痕跡を探しましたが、何も見つかりませんでした。子どもの頃の記憶とは似ても似つかぬ廃墟ばかりが広がっていました。まるで心の一部が砕け散ったようで、涙が止まりませんでした。
大人になってからも、人生の重荷を感じた時に逃げ込める安全な居場所として、この場所を訪れていたことを思い出しました。先生たちのもとを訪ね、一緒に座り、子どもの頃の思い出を振り返り、当時、私が成長とともに感じていたものと同じ愛情を先生たちのまなざしに見る思いでした。
今、この胸が張り裂けるような光景の前に立つと、かけがえのない何かを失ったように感じました。場所だけでなく、私の魂、子ども時代、私の歴史の一部を失ったのでした。あの幼稚園の至る所に思い出がありました。何時間も座っていたアートコーナー、夏の日につどった庭の大きな木、一日の終わりを告げる鐘。
今日、それらはすべてなくなり、心に刻まれた思い出だけが残りました。この廃墟を見て痛みを感じたにもかかわらず、その場所の記憶は私の中に生き続けます。、目を閉じると思い出のリールが再生されます。そのたびに、私の子ども時代が私に語りかけてきます。