
キャンバス地で出来たカフェ・・・復活をめざすための席
静かな朝を迎え、私は毛糸のショールを肩に巻き、本を入れた重いリュックを背負って、勉強のできる唯一の場所に向かって歩き出しました。道は、でこぼこで破壊された建物の間から太陽の光が差し込んでいました。毎日移動しなければならないこの距離は単なる道のりではなく、私の忍耐力が試されるもう一つの試練であるとわかっていました。
キャンバス地でできたカフェに着いたとき、私は都会の雑踏から離れた別世界に足を踏み入れたような素朴な安堵感を覚えました。そのカフェは豪華なつくりではなく、人工芝の床にプラスチック製のテーブルと椅子がちらほらと置いてある簡素なカフェでした。しかしそこは、単なるカフェではなく、私の様にこれから前進していこうと考えている、多くの学生たちにとっての居場所となっているのでした。
いつものテーブルに座り、コーヒーを置いてノートを開き勉強に集中しようとしました。しかしページをめくるたびに、色々なことが思い出されました。自宅が停電になった時、薄暗い蝋燭の灯りの下で勉強をしなければならなかった日々のこと、インターネットが使えないために講義に出席できない旨を教授に送ったメッセージのこと等が。
私は、一瞬頭を上げて、開放されているカフェの入り口に目を向けると、カートを押す露店商と一緒に通りを走る子どもたちが見えました。ここにいる誰もが、それぞれのやり方で一生懸命に生きているのです。
私はコーヒーを一口飲み、身体中に広がっていく温もりを感じました。それは、飲み物の熱さだけからではない、心の中にある強い意志の炎からだと思いました。状況は理想とは程遠いですが、今、私は、このキャンパス地でできているカフェの屋根の下にいます。そして今、思えることは、戦闘は、決して奪うことが出来ないものがあります。それは私の夢です。
ここのシンプルなカフェで、私は、これから逞しく復活する気持ちを込めて、未来について書きました。どんな障害があろうとも、道を示してくれる光を、必ず見つけることが出来ると信じています。