ガザ女子学生日記

2024年12月21日(土)

2025-04-27 09:46:48
2025-04-28 19:36:55
目次

土曜日の朝、祖父の家に向かう途中、近所で目を引く光景がありました。歓声が聞こえたので振り向くと近所の青年たちがバレーボールをしていました。彼らは子どもを持つ父親たちでしたが、心はまだまだ若者のようでした。それはまるで、かつてこの場所で楽しい子ども時代を共にした思い出を再現しているかのようでした。

 ゲームの中で、笑ったり、競い合ったりと、その場の雰囲気は、喜びに満ち溢れていました。勝ったチームも負けたチームも全員が笑顔で輝いていました。皆が疲労困憊している中でこの様な喜びを持つことが難しいときに、お父さんたちが、楽しい時を私達にもたらしてくれたのです。

瓦礫と破壊の中で試合をしている姿を見て、子どもたち、若者、年長者と皆が喜びを感じる瞬間となったと思います。この廃墟と荒廃を気にも留めず、お父さんたちは、只々、安らぎを得るために現実から少しでも逃避するかのようでした。

ガザは、こうしていつも喜びは束の間です。突然、耳をつんざくような爆発音が聞こえました。イスラエル軍が発射したロケットが、試合をしていた場所の隣の通りを襲ったのです。日常を大切にして楽しんでいただけなのに、何も悪いことをしていないのに、罪の無い市民を標的にしたのです。

その光景は、楽しさと喜びで活気あふれていた状況から一瞬にして悲劇と沈黙へと変化してしまいました。人生の最盛期であった二人の青年が目の前で殺され、通りには死体と負傷者であふれ混乱を期していました。爆弾で切断された手足は散乱し助けを求める絶望的な叫び声がこの悲惨な状況の中で飛び交っていました。試合は中断し笑声は一瞬にして消え、悲しみのどん底へ落ちたのでした。

でもこれがガザで起きる日常です。一瞬にして全てが変わり、つかの間の幸せが深い悲しみにとって代わることが多いのです。

この記事を書いた人

Sabara

Sabara(サバラ)22歳 パレスチナ・ガザ地区出身。アル・アクサ大学で英文学を勉強中。情熱的で野心家。写真撮影と読書が好き。2024年11月から日記を書き続けている。