
今日は、ある意味戦闘が始まって以来、私の人生の中で最も良い一日となりました。私は、思考の深い海に溺れたかのように座り込み、悲しみといら立ちと不安で打ちひしがれていました。心の中の葛藤にとらわれていた時、妹が私の気を引きました。子どものような無邪気さで世界を自分のものにするように、彼女独特の色彩で絵を描いたのです。
妹は、絵筆と色で感情を表現する才能あるアーティストと思います。私の心は悲しみで一杯なのですが、妹を優しく見守っていると、突然、妹は、「一緒に絵を描こうよ」と誘うのです。この誘いの言葉で絶望の気持ちを遠ざけてくれる救いの手のように感じたのです。
妹の隣に座り絵具を手に取り、絵を描き始めました。しばらくの間、私は、この安心安全で単純な世界からは離れたくない、そして無邪気な少女に戻ったような気がしました。
私たちはまるで恐怖や抑圧から解放された別世界に生きているかのように絵を描き、笑いました。その瞬間、長い間失った幸せの世界への小さな窓を開けた感じがしたのです。
この素晴らしい時が永遠に続くように、時が止まってほしいと心の底から願いました。しかし、私たちの笑いの反対側から恐怖が心に忍び寄るのです。ここ、ガザでは、生活と恐怖は切り離せないものになっていました。悲劇的な出来事が無い日は、一日もなく、悲しみのドアを叩かない日も一日も無いのです。
しかし、この短い間に何か違うものを感じました。無垢な子どもの心を持って、純粋な世界に逃げ込もうとしていたのです。恐怖も戦闘もない、色と絵だけの世界。私たちは、心の重荷を軽くするためにこの絵と色に目を向け、世界に叫びました。「私たちはこうして、ここに存在し笑うことも、絵を描くことも、夢を持つことも出来るのです。」と。