ガザ女子学生日記

2025年2月17日(月)

2025-05-09 16:42:38
2025-05-11 15:30:39
目次

穏やかな2月の朝、正確には、2025年の2月17日でした。私は、ゆったりと、恐れることも無く、一日をゆっくりと始めることにしました。自分を大切に一杯のコーヒーを楽しみ、そして平和な時を待ち望む心で 一日をはじめました。

私は朝日を浴びて、その暖かさを感じながら呼吸し、つかの間の安らぎを心の奥底にしまい込むように、そっと目を閉じました。 そこで自分の将来、そして人生について、どうしたら現在の状況から再建できるのか、どうすればあの惨事から、新たなスタートを切ることができるのか、と考えました。

とても不思議なことに私の周りには、ドローンの音、爆撃の音などそして、何の混乱もありませんでした。この時初めて頭の上の空、足元の地上には、安心・安全と感じたのでした。

近所の子どもたちの笑声が路地に響き渡り、香水の香りの様に、その喜びの声が空気に広がっていくように聞こえました。それは、優しく私を元気にしてくれたのです。どんなに目立たなくとも優しい方法で、人生にはまだ可能性が秘めていることを感じさせてくれました。

旧市街を歩きながら何か元気にしてくれそうな物はないかなぁと探していた時でした。沢山の物の中から鮮やかな黄色のカップを偶然見つけたのです。それは、ただのコーヒーカップではありませんでした。まるで小さな太陽な光のように見えました。

私はそれを売っている人に近づいて、聞いてみました。「このカップはどうしたのですか?」と彼は優しい笑みを浮かべて、声に悲しみを滲ませながら答えてくれました。

「このカップは、瓦礫の下から見つけたのです。壊されてしまった店の倉庫から見つけたのです。こうして残された物でも、もう一度、蘇らせて商品として売っています。」

そしてどういうわけか、をれが私の手元に来たのです。その黄色のカップは、陽光の色であり、喜びの色であり、希望の色でもあるのです。私を見つけてくれたように感じます。

その黄色いカップで気持ちの良い朝を迎えようと決めました。忍耐について、静かな強さについて、新しい始まりについて、たとえそれが廃墟の中からでもこうして立ち上がれることを、自分自身に問いかけることができました。

この記事を書いた人

Sabara

Sabara(サバラ)22歳 パレスチナ・ガザ地区出身。アル・アクサ大学で英文学を勉強中。情熱的で野心家。写真撮影と読書が好き。2024年11月から日記を書き続けている。